子宮頸がん発症の主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染です。
HPVは200種類以上の多くの型がありますが、子宮頸がんを引き起こす原因となるのはこのうちの14種類と言われています。この14種類をハイリスク型HPVと呼びます。
HPVはどこにでも存在するきわめてありふれたウイルスであり、例えば皮膚の表面に出来る乳頭腫(イボ)を引き起こすのもHPVの一種です。子宮頸がんを引き起こすハイリスク型HPVは主に子宮頸部の粘膜に感染するため、性的な接触により感染を起こし、子宮頸がん発症の原因となりえます。一般に女性の約80%以上が一生に1度は感染すると言われています。つまり誰にでも感染は起こりうるのですが、その多くは人間がもともと持っている免疫反応によって自然に消失します。しかしながら、一部のハイリスク型HPVが持続的に感染し、様々な発がん因子と関係することで、子宮頸がんになってしまうケースがあります。
子宮頸がんとは
子宮頸がんは、子宮頸部に発生するがんです。ほとんどの場合、ゆっくりと進行するがんで、早期では症状はありません。進行するに従って異常なおりもの、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。
定期的にがん検診を受診することにより、がんになる手前(前がん病変)で発見することが可能です。子宮頸がんの原因は、ほとんどが、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染であると言われています。
子宮頸がんの原因
ヒトパピローマウイルス(Human Papilloma Virus;HPV)

【「がん」への進展リスクが高いHPV 型1-4)】
がんへ進展するリスクの高い14種類のハイリスク型HPVですが、その中でも「がん」への進展リスクがより高いHPV型があります。
1) 日本産科婦人科学会/ 日本産婦人科医会, 産婦人科診療ガイドライン- 婦人科外来編2023
2) Miura S, et al. Int. J. Cancer 2006;119:2713-5.
3) Matsumoto K, et al. Int. J. Cancer 2011;128:2898-910.
4) Smith JS, et al. Int. J. Cancer 2007; 121:621-32.
【HPV型別のがん化のリスク】
近年の研究では、HPV16型は上皮内がん以上への進展リスクが最も高く、次いで31、18、33型のリスクが高いことが報告されています5)。
5)Bonde JH, et al. J Low Genit Tract Dis 2020;24(1):1-13.
子宮頸がんと子宮体がん

同じ子宮にできるがんでも、頸がんと体がんはできる場所が違い、検査、治療などが異なっていますので注意が必要です。近年若い女性に増えているのが「子宮頸がん」で、「子宮体がん」は中年以降の女性に急増しています。
【子宮頸がん】
子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮下部の管状の部分)を子宮頸部といい、この部位にできるがんです。一般に「子宮がん検診」といえば、この子宮頸がんの検診を指します。健康診断や人間ドックのオプション検査、自治体が実施する検診などで、症状のない人を対象に行われています。子宮頸がんの検査方法や詳細はこのウェブサイトをご覧ください。
【子宮体がん】
子宮体がんは、子宮上部の袋状の部分、子宮体部という部位に生じるがんで、そのほとんどは、子宮体部の内側にある子宮内膜という組織から、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンの作用をうけて発生するがん(子宮内膜がん)です。卵胞ホルモンの刺激に関係なく発生するものもあり、このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。他にも肥満、糖尿病、高血圧などの要因もリスクとなることが知られています。症状の多くは、不正出血です。
そのため、検査は不正出血などの自覚症状がある人、ハイリスクグループと呼ばれる、喫煙者、肥満、高血圧、糖尿病などの症状を持った人が受診します。検査は超音波検査で行われたり、子宮頸部と同様に子宮体部の細胞診で行われる場合があります。
【子宮頸がん】
子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮下部の管状の部分)を子宮頸部といい、この部位にできるがんです。一般に「子宮がん検診」といえば、この子宮頸がんの検診を指します。健康診断や人間ドックのオプション検査、自治体が実施する検診などで、症状のない人を対象に行われています。子宮頸がんの検査方法や詳細はこのウェブサイトをご覧ください。
【子宮体がん】
子宮体がんは、子宮上部の袋状の部分、子宮体部という部位に生じるがんで、そのほとんどは、子宮体部の内側にある子宮内膜という組織から、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンの作用をうけて発生するがん(子宮内膜がん)です。卵胞ホルモンの刺激に関係なく発生するものもあり、このようなタイプの子宮体がんはがん関連遺伝子の異常に伴って発生するとされ、比較的高齢者に多くみられます。他にも肥満、糖尿病、高血圧などの要因もリスクとなることが知られています。症状の多くは、不正出血です。
そのため、検査は不正出血などの自覚症状がある人、ハイリスクグループと呼ばれる、喫煙者、肥満、高血圧、糖尿病などの症状を持った人が受診します。検査は超音波検査で行われたり、子宮頸部と同様に子宮体部の細胞診で行われる場合があります。