HPV検査単独法とは、子宮頸がんの原因であるHPV感染の有無を先に調べる方法です。HPV感染がない場合、子宮頸がんになるリスクはほとんどありませんので、5年後に検診を受診してください。HPV検査の感度は98%1)と言われています。ただし、がん検診は100%ではありません。何か普段と異なる症状(異常なおりものや出血)がありましたら、最寄りの産婦人科へご相談ください。
HPVに感染している場合、HPV検査で使用した検体を用いて(再採取は不要です)細胞の変化を顕微鏡で確認します(細胞診検査)。細胞に異常がある場合、精密検査となります。
HPVが陽性で細胞に異常がなかった場合、HPV感染状況を確認するため翌年再度HPV検査を受診してください。子宮頸がんはHPVの持続感染が大きなリスクです。翌年の検診を必ず受診することが重要です。
子宮頸がん検診とワクチン
一度でも性交渉の経験がある女性であれば、子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染の可能性がありますので、子宮頸がん検診での早期発見が重要です。また、セクシャルデビュー前にHPVワクチンを接種することにより、HPV感染を予防することができ、子宮頸がんの多くを予防できます。
ワクチンを接種しても100%予防できるわけではないので、子宮頸がん検診を定期的に受診することの大切さは変わりません。
子宮頸がん検診の方法は2種類あります。これまでは、子宮頸部の細胞を採取して特殊な染色を行って顕微鏡で異常な細胞がないかを調べる方法です。最近行われるようになったのが、HPV検査を先に行うHPV検査単独法です。
HPV検査単独法

しかし、HPV陽性で細胞診に異常が無い場合であっても前がん病変などの可能性があります。HPVの型によってリスクが異なります(30歳以上のデータ)2)。


米国コルポスコピー学会(ASCCP)において、
上皮内がんリスクが4%以上の場合、精密検査が推奨されています3)。
上皮内がんリスクが4%以上の場合、精密検査が推奨されています3)。
1) WHO guideline for screening and treatment of cervical pre-cancer lesions for cervical cancer prevention. 2021 Available at: https://www.who.int/news/item/06-07-2021-q-and-a-screening-and-treatment-cervical-pre-cancer-lesions-for-cervical-cancer-prevention
2) Stoler MH et al. Gynecol Oncol 2019; 153: 26-33.
3) Perkins RB, et al. J Low Genit Tract Dis. 2020;24(2):102-31.
細胞診検査
細胞診検査とは、採取した細胞に異常がないか顕微鏡で確認する検査です。これまでは、子宮頸がん検診と言えば、この細胞診のみで行ってきました。細胞診の検査感度は一般的に60~70%程度と言われています。
細胞診が陰性の場合、2年後に検診を受診してください。ただし、がん検診は100%ではありません。何か普段と異なる症状(異常なおりものや出血)がありましたら、最寄りの産婦人科へご相談ください。
細胞診検査には採取した細胞をスライドガラスに直接塗る直接塗抹法と、採取した細胞を細胞保存液が入った専用容器に保存する液状化細胞診法(Liquid Based Cytology:LBC)があります。
LBC法では不適正検体(再採取が必要な検体)を減らすことが数多くの論文で示されています1-3)。またLBC法には密度勾配自然沈降法とフィルター法があり、密度勾配自然沈降法では直接塗抹法より検出感度が高いというデータがあります4-5)。
細胞診が陰性の場合、2年後に検診を受診してください。ただし、がん検診は100%ではありません。何か普段と異なる症状(異常なおりものや出血)がありましたら、最寄りの産婦人科へご相談ください。
細胞診検査には採取した細胞をスライドガラスに直接塗る直接塗抹法と、採取した細胞を細胞保存液が入った専用容器に保存する液状化細胞診法(Liquid Based Cytology:LBC)があります。
LBC法では不適正検体(再採取が必要な検体)を減らすことが数多くの論文で示されています1-3)。またLBC法には密度勾配自然沈降法とフィルター法があり、密度勾配自然沈降法では直接塗抹法より検出感度が高いというデータがあります4-5)。

1) Siebers AG.et al.:JAMA 2009; 302: 1757-1764 PMID: 19861667(Ⅰ)
2) Ronco G. et al.: BMJ 2007; 335: 1-7PMID: 17517761 (Ⅰ)
3) Ito K. et al.: Jpn J Clin Oncol 2020; 50: 138-144PMID: 31735963
4) Rozemeijer K. et al. Cancer Causes Control: 2016 Jan;27(1);15-25: DOI 10.1007/s10552-105-0678-1.
5) Takahiro Koyanagi et al. Cytopathology: 2024;00:1-6. DOI:10.1111/cyt.13431
関連情報
婦人科検診って、ちょっと行きづらい。でも、心配しないで。検査はほとんど痛くないしすぐに終わります。
HPVワクチン
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。
ワクチンの詳しい情報は厚生労働省ホームページよりご覧ください。
ワクチンの詳しい情報は厚生労働省ホームページよりご覧ください。